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#14 水鏡3 [デムピアス・3年前]

posted by GEM at 2005年09月04日 15:28

 僕は自分の考えを披露した。
 まずスオミの水詠みの冒頭『セオ神の力の及ばぬ場所に凶兆あり』これはセイリュウと同じ神界の死神であるデスがマイソシアを狙っていることを警告するものだろう。
 デスはマイソシアに降臨するためにミュレカン神をセイリュウの水鏡に封印した。
 この次に続くのはセオ神の御神託の最初の二行。
『水鏡に写りしは我が言霊。これをもって帰らざるならば備えるのだ』
 セオ神は『水鏡』という言葉を出すことによって、その言葉に対して別の視点を持つ僕がここに来て、セイリュウに『この次元に水鏡を出してもらう』ことを見越していた。狙いは、このときの水鏡の歪でなんとかミュレカン神が水鏡の封印から出られないかと考えていたわけだ。
 だがそれはたった今、無理だと分かった。
 セオ神は、ミュレカン神が水鏡から出られなかった場合について『これをもって帰らざるならば備えるのだ』と続けている。『禁忌の血と秘術ゆえに身を落としたる背徳の徒のみが大いなる摂理をも退け、御座に落とされし彼の者に手を差し伸べるであろう』これはおおよそ見当はついている。類まれなる力を持ちながらルケシオンに流れてきた霊媒師の事だろう。あの霊媒師なら確かに可能だと考えられる。何とかミュレカン神を戻してくれるだろう。
 だが……それは同時に水鏡の次元と霊媒師が繋がることを意味する。『されど彼の者に続き出でるものあり。遥かなるメンタルロニアの大いなる御神にして死と恐怖を統べる神』デスは直接こちらに来ることは出来ない。だから、デスは霊媒の術によって繋がった経路を通って降臨するつもりなんだ。
『これを必ずや退けよ。さもなくば、暗き光の見据えたる先に母なる大地は焦土を化し汝等は屍へと転生するであろう』これはそのままだ。そして、これを退けるための方法として、『最も強きギルドをミルレス内部の前線に当たらせよ。騎士団、魔術師団はミルレスの凶事が町の外に出ることのないようにせよ』このスオミの水詠みに続くわけだ。
 ……あれ? 一つだけ疑問が残ったな。

セイリュウ、最後に一つだけ教えて欲しい」
「何かしら?」
ミュレカン神を霊媒術によって呼び出すときに繋がるのは霊媒師とミュレカン神が封印されている水鏡の中の空間じゃないのかな? であれば、デスは水鏡の外にいるのにどうやってマイソシアにやってくるつもりなんだろう?」
「いいところに気がついたわね。死神達だけに許されている力が一つあるの。そもそもなぜ水鏡が作られたか簡単に言うと、もうどうしようもないような邪魂や魔物を閉じ込めるため。そして、その閉じ込めた者に問答無用の絶対的な引導を渡すことが出来るのが死神達なの。それを実行するために死神達だけは水鏡の封印に立ち入ることが出来るのよ」
「つまり、水鏡は処刑台で死神は執行人ということか……。何でそんな物騒なものを持ってるんだい?」
 セイリュウは眉一つ動かすことなくさらりと言ってのける。
「気に入ったから」
「……はぁ、左様でございますか」
 なんとなくミュレカン神の表情も「ついていけない」と訴えている気がする。反対にセイリュウはそれがどうかしたのかと言わんばかりにあっけらかんとした表情だ。
 これほど美しい水鏡が、実はそんなものだったとは……。やはり僕達人間には穏やかで心安らぐスオミの水鏡のほうがいいと思うね。

「賢者よ、名はデムピアスであったな。今汝がまとめたとおりで間違いないだろうがいくつか付け加えておこう。霊媒師は私の召還を行うと同時にデス様をも召還することになる。このときの霊媒師の命が心配だ。霊媒師を守るためには私が霊媒師に降りることが一番だが、それが出来なかったときは一時的に汝の体を借りたい。私は人の世界には実体をもてない故力を貸してくれ。あらかじめ私が降りる可能性あることが分かっていれば汝も驚かなくて済むだろうし降りるのもスムーズだからな。それから、デス様がどのような形で降臨されるつもりか知らぬがその時にその場に居合わせるすべての者はデス様に憑依されぬよう私のタリスマンを持たせるのだ。私のタリスマンは私に仕える神官なら作ることが出来る。もしも誰かがデス様に憑依されたら私はためらうことなくその者諸共我が力を解き放つので努々忘れぬことだ。こちらもそこまで非情に成らざるを得ない状況だということをよく伝えてくれ。私の力がどの程度通用するものか分からぬが私も汝らのデス様との戦いに力を貸すことを約束しよう。それによって私はデス様との契約を失うことになるが我が子等と我等のマイソシアを守るためならば止むを得ん」
 ミュレカンは信仰していないんだが、神殿に遊びに行くついでで頼まれてみるか。
「分かりましたミュレカン神。ご助力をお約束くださり感謝いたします。必ずおっしゃるとおりに手配いたしましょう」
 それに、この情報は高く売れる。労せずに大聖堂にあるらしいキュリアスロッドを手に入れられるかもしれない!
「さて……ミュレカンデムピアス、話は終わったかしら? 水鏡をこちらの次元に出しておいたり水鏡の中のミュレカンの話を中継するのって結構疲れるの」
「これは大変失礼いたしました。私は大丈夫です。セイリュウ様」
「僕も大丈夫。おそらく全て分かったはずだよ」
「そう。じゃ、これも何かの縁だし、私からも一つだけ力を貸してあげることにするわ。あとで私の鱗をあげる。仮に誰かにミュレカンが降りてミュレカンの力を使うことが出来たとしても、人の体じゃデスが撫でるだけでバラバラよ。だから、鱗を薄く伸ばして防具の下に着込みなさい。着こなす者の力量次第の部分もあるけど、正しく使う限りは少なくとも一撃で切り裂かれることはないと思う。きっとこの程度の助力ならデスに干渉したことにもならないと思うわ」
「う……う、鱗だって!? セイリュウ、君は一体?!」
 でもセイリュウは僕の驚きをニコッと笑顔でかわし、
「無粋な想像は止めてね? デムピアス
「……わ、わかったよ。有難く頂戴するよ」
ミュレカンもこれでデスの大鎌にある程度対抗できる鎧があることになるし、人の体の弱さをあまり気にすることなく力を発揮できると思うわ。がんばってね」
「ご助力感謝いたします。セイリュウ様」
「いいのよ、さて……鏡を元の次元に戻すわね。ミュレカンはもうしばらくその中で我慢しなさい。じゃあ戻すわよ」
 セイリュウがそう言って手にしている丸い水晶玉のようなものを、水鏡をここに出したときとは逆にふわりと天に持ち上げた。するとまるで幕が上がるかのように水のカーテンが天に消えていった。ミュレカンは最後までセイリュウに深々と頭を下げていた。そしてまた一瞬だけ耳鳴りのような音が響くと天に昇った水のカーテンは完全に姿を消した。僕は最後までそれを見ていた。

「さぁ、デムピアス。これを受け取りなさい」
 そう言われてセイリュウの方を見ると、その手には巨大な鱗が五枚重ねられていた。大きさは五十センチずつの正方形に収まるぐらい、厚みは一枚二センチほど。鱗がこの大きさなら本体は一体どんな巨大さなんだろう? それに、これは鱗と言うよりは金属板といったほうが印象に近い。不思議なことにその鱗は虹の様なさまざまな色が次々に表面に煌き、見たこともない淡い光のようなものを放っていた。
「大きいな……こんな巨大な鱗見たこともない……」
「あら、これでも扱いやすいように小さくしたんだけど?」
「そうなのかい? じゃあ、もともとの大きさはどれぐらいなんだろう?」
「そうね……あなたは私との契約を受け継いでいるんですもの。一度ぐらい見せておいた方がいいわね。私の神界での姿をちょっとだけ見せてあげるわ」
 セイリュウは少し悪戯っぽい笑みを浮かべ、そして目の前から消えた。
「え? セイリュウ? どこに行ったんだい?」
 僕は注意深く辺りを見回した。セイリュウはどこにもいない。
「……!?」
 ふと、巨大な影が僕を覆った。ありえない大きさの影が……。影が覆ったと言うよりは、あたりが暗くなったと言うべきか。なにか、とてつもない予感がする。首筋の辺りがピリピリする。
「なんだ……? セイリュウ? これは君なのかい?」
 影が出来て本体が見えないのだから、普通に考えれば影の主は背後か上にいる。僕はそちらに向き直ろうとした。
「!!」
 だが、またしても出来なかった。一瞬にして僕は生まれてから一度も感じたことがないような絶対的な畏怖に見舞われた。これは究極の何かだ。体中のあらゆる汗腺から汗が噴出し、本能が激しく「絶対に刃向かってはいけない!」と最大級の警告を発しているのがはっきりと分かる。僕は今は金縛りになんてあっていない。だが蛇に睨まれた蛙とはまさにこのこと、指先ひとつ動かせない……。
 この恐ろしさは一体なんだろうか? 背後から首筋に刃物を突きつけられているほうがまだマシだ。いや、違う。こんな恐ろしさに晒されるぐらいなら生まれてこなければよかったと思えるほどだ。自分が存在してしまったことを強烈に後悔してしまうような畏怖。影の主の方を振り返ることなど絶対に出来ない。真の恐れとはこういうものなのか!
「セ……セイリュウ……様……何卒……お姿を……」
 本能が言葉を搾り出す。僕としたことが……震えが止まらない……。あまりにも、あまりにも恐ろしくて体中がガタガタと大きく音を立てるほどに。涙が自然にあふれてくる。影の本体を見てしまったら、その瞬間、僕は、、、、発狂してしまいそうだ。力の差などと言う表現は全く意味を持たない。いや、もういっそ殺してくれ!! 怖い! 助けてくれ!! もういやだ!!
「お願いし……ます……セイ……リュウ様……」
 口が震えて言葉がスムーズに出てこない。畏怖に囚われた僕は息をすることさえ苦しくなってきた……。

「大丈夫?」
 そう聞こえ、背後から肩を叩かれた僕は、体の全ての機能が混乱したかのように驚いた。そして、絶叫と共にその場にぺたりと腰を落としてしまった。そして、もはや何も考えていないまま本能が僕を振り向かせる。そこには、さっきまでのセイリュウがいた。影もいつの間にか消えていた。
「ごめんなさい……以前会った二代目デムピアスは多少びっくりしてたけど大丈夫だったから……」
 何故かは分からない。僕は反射的にセイリュウに向き直り土下座したまま額を地にこすり付けていた……。無条件の服従以外に選択肢はない。何故かそれしか考えられない。震えもまだ止まらず涙も止まる様子はない。とにかく意に反して涙が止め処なく流れてくる。僕は特に何をしたわけでもない。だが、僕はまさに神の前に連れ出された哀れな子羊だった。何に対してなのかわからないが懺悔と後悔の念が僕の胸をどんどん締め付けてくる。
「いいのよデムピアス……もう大丈夫だから。顔を上げて。私はあなたと契約はしているけどあなたの神じゃないわ。だからそんなに恐れないで。もうさっきまでのように私と親しく話してくれないのかしら? そんなに畏まられると、私の方が寂しいわ……」
 セイリュウはそう言うと僕の前に屈んで僕を抱き寄せた。僕の体は反射的にビクッと怯えるような反応をした。だが、いつの間にか僕はセイリュウに抱かれ、そして僕は、まるで子供のようにセイリュウの服にしがみついて泣いていた。怖かったからなのか、それとも赦された事を心から安堵していたのか……。

 どれぐらいの時間が過ぎただろうか。かなり長い時間のような気がする。僕とセイリュウは言葉を交わす事もなく祠の真ん中の石にもたれかかり、日が昇ることもなければ落ちることもない地平線を見ていた。
デムピアス。そろそろ落ち着いたかしら?」
「あぁ、さっきは取り乱してしまって……」
「それは気にしなくていいの。私が悪かったわ。さっきも言ったけど以前会った二代目のデムピアスは私に臆することもなかったし、それにあなたもミュレカン神の前でも堂々としていたから、さすが賢者と思っていたんだけど……。考えてみれば貴方達は私達から離れてセオ達に守られるようになってから、もうかなりの時間が経っているのよね。だから多分、私のような神界の者には免疫がないのよ。きっとそうだわ。だから、本当にごめんなさいね、デムピアス
「お願いだから謝らないでくれないか? こうして話しているだけでも信じられないんだ、謝られるとまた……泣いてしまいそうだよ」
「……ごめんなさい」
「……ハハハ……。また謝ったね」
「あら? 私としたことが」
 なんとなく顔を見合わせ、そして僕はやっと笑うことが出来た。やっと自分らしさを取り戻してきた気がする。こう言うと変だけど、自分の全てが剥がされてしまった今だからこそ、自分という個人を成立させる全てのものをものすごく大切に感じている。自分という存在があることはもちろん、自分の考え方や表情の一つ一つや仕種、しゃべり方、他にもたくさんあるけど、どれ一つかけても僕はデムピアスではなくなってしまう。なんとなくそんな風に思った。
「さて、鱗は渡したわよね」
「あぁ、もうしまったよ」
 僕はそう言って守護動物の卵を見せた。
「この中にしまってある」
 セイリュウはうなずいて続けた。
「鱗は紙のように薄く伸ばしても効果は変わらないし、熱しなくてもいいから鉄よりも加工しやすいはずよ。腕のいい鍛冶屋にお願いして加工してもらうのね。ただしよく覚えておきなさい。鱗によって守られているとは言っても中身は所詮生身の人間、死神相手なんて根本的に分が悪い戦いなのは何も変わらないわ。鱗は打撃のエネルギーの大部分を吸収できるし、打撃に付加される効果もほとんど無効化できる。でも吸収できなかった分は中身の人間に伝わってしまう。だから、鱗があるからといって油断しないことね」
「なるほど、わかったよ」
 セイリュウはまた笑顔を僕に見せた。最初現れたときよりも親しみが持てる笑顔だ。それに今気づいたが、最初は目に見えていても相変わらず気配がなかったのに、今ははっきりと気配を感じる。確かにそこにいる。相変わらず恐れ多いのだが、同時になぜか心から安心できる。
「さて、用事はこれで終わりかしら?」
「そういえばまだ聞いていないことがあったよ。先代のデムピアスも試しに君を呼び出してみたようだが何も起こらなかったと言っていた。なぜ呼び出しに応じなかったんだい?」
「あぁ、そういえば一度呼ばれたわね。単純なことよ。ただの好奇心で呼び出してるみたいだったから無視しただけだわ」
「……」
 それだけなのか? 契約って言う割には軽いノリで無視されるんだな……。

「じゃあ、僕が君を呼び出したのは僕の好奇心ではなく水鏡を求めていたことは分かっていたってことかい?」
「当たり前だわ。私を誰だと思っているの?」
「えっと、分かっていたのに用事はなんだと聞いてみたり僕に死んでしまえと言ったのかい?」
「からかっただけよ」
「フッ……影だけで例えようもないほど恐れ多く神々しい君が、その姿だとなぜか僕の好みだよ。そんな冷たい仕草なんて特にね」
「あら? 私に惚れちゃったのかしら?」
「君のその微笑みは君が僕の魅力に気づき始めた証拠だよ」
「人のくせに言ってくれるわね! 面白いわ!」
 セイリュウは少しお腹を抱えて笑い出した。
 本当に不思議な神様だ。こうして笑っていると、普通の女の子じゃないか。神の威厳などこれっぽっちも感じない。さっきの本当の姿というのは一体どんな姿だったんだろう……。

「また来てもいいかな」
「えぇ、用事があるならね」
「君に逢いたいと言ったら?」
「そういう用事なら気分次第よ。あと、これを渡すのを忘れていたわ。二代目デムピアスから『もしも私以外のデムピアスが契約を行使したらこれを渡して頂戴』って。何が書いてあるのか知らないけどね」
「わかった。後で見てみるよ」
 そして、なんとなく二人とも押し黙ってしまった……
 なんとなく時間が止まったように感じるのが心地よかった。帰らずに済むのなら、と言うわけにも行かない、か。
 僕は立ち上がるとセイリュウに言った。
「じゃ、そろそろ行くよ。指輪を外すけどいいかい?」
 セイリュウも立ち上がり、僕の目を真っ直ぐに見て言った。
「ええ」
 僕はセイリュウの目を見つめ返したまま祠の石の手形から指輪を取り外した。
 指輪は、置いてある物を手に取るのと全く同じように何の抵抗もなく手形から取り外され、そしてセイリュウはあっさりと消えた。
 少しの間、セイリュウがいた場所を見つめていた。
 僕はどんな感情でそこを見つめているのだろうか? 自分でもよく分からない気持ちは不快なようでもありもう少し余韻を楽しんでいたいようでもあり……。だが少しの時間に多くのことを知りすぎて感情的に昂ぶっている自分もいる。セイリュウのいた場所から目を離すのが名残惜しい気もしたが、むしろこのままの勢いで、まるでタイムカプセルを開けたかのような二代目からの手紙を少しワクワクしながら開いてみた。

『初代および二代目のデムピアスから私達の名を受け継いだ貴殿へ、またはデムピアスを打ち破り賢者の資格を奪った貴殿へ。

私はあえて賢者について三代目に伝えていないのできっと賢者というものについて何も知らずにここに来たはずです。果たして、ここに来てセイリュウに会わなければ見ることが出来ない私のこの助言が有効なものか分かりませんが、四つ伝えます。
一つは自分が賢者であることを不必要に知られることのないようにしなさい。
一つは他の賢者にできるだけ早く会いなさい。そして賢者の本当の意味を教えてもらいなさい。
一つは賢者の意味を知り、その上でどう行動するかは貴方次第です。貴方の心に嘘をつかないようにしなさい。
一つは賢者の意味を知ることなしにセイリュウの真の姿を見てはいけません。見るのなら覚悟しなさい。

あなたがデムピアスであるならこれからもがんばってください。あなたがデムピアスでないのなら勝手になさい』

 これは!? デムピアスともあろう者がなんてつまらない文章なんだ! 一瞬で興ざめだ!! それに、見るなら覚悟しなさいって、もう遅い。骨の髄まで思い知った。覚悟したぐらいでどうにかなるとは思えないんだが。
 でも、今回の僕の冒険に続きが出来たことにはなるな。デスの件が片付いたら他の賢者を探しに行って賢者と言うものを知り尽くしてやろう。そして今度セイリュウに会うときには、本当の姿を正面から見てみたい。
 うん、ワクワクするねぇー! 久しぶりに普通の冒険者に戻ったみたいだ!
 よし、帰ろう。マイソシアに。
「あ、しまった。さよならを言わなかったな……。まぁいいか。セイリュウ、また来るよ」
 僕は、五つの指輪を義手の隠しポケットにしまいながら呟いた。
 そしてゲートを取り出した。ミルレスゲートだ。
 ゲートの淡い光に身を預けミルレスに飛ぶ瞬間、「待ってる」と聞こえた気がしたのは……
 自意識過剰かな?
 
 
 

 

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WEB拍手
作者がお話を書く活力になります。何卒m(__)m
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