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第2部

posted by Amadeus at 2007年04月13日 17:03

「私は……ううん、ミルレスはきっと大丈夫。だって、あの人がいるもの。だから、貴方は、あの子のところに行ってあげて。動けない私の代わりに……」

 秩序の崩壊によって無秩序となるだけならば、それは人に任せておけばいい。歴史は風のように過ぎ行くだけだろう。しかしこれは、歴史が切り刻まれるほどの深い刻印となるかもしれない。

「仲間? それがどうかしたの?」
「別に。言ってみただけさ」

 固いはずの絆は自ら断ち切ろうとする者にとって一筋の絹糸にも及ばない。

「父上ー!!!」
「ホ……ホッホッ……ゴホッ。……そういう、わけでな、もうわしのことは父と呼ばずとも……」
「何を言っているのです、父上!」

 自ら歴史の闇に殉じた光との約束。

「レピオンが……消えた?」
「はい。数刻で全勢力の知るところとなりましょう。あるいは既に、ということもごく普通に考えられます。出すぎた真似かと存じますが、とりあえず何艘か出しておきました」
「問題ない、当然の判断だ。よし、僕も出るよ。あぁ、それから例の船さ、あと二日でなんとかさせるんだ」

 戦乱は避けられないのか。

「お前、本気か?」
「当たり前! 今更だわ! この時のためだけに生きてきたのよ? しかも勝手に混乱してくれちゃってる。今しかないの……。ねえ、あんたも来なさい。これが最後よ」
「……腐れ縁ってか?」
「いいえ、違う。命令よ」

 それぞれの思惑が一所を目指すほど世界は単純ではない。

「不便なところだ。まさか探し回る羽目になるとはな」
「遅かったわね、そんなんじゃ話にならないわ。出直してくれる?」

 舞台に降り立つとは即ち演者とならねばならぬということ。

「お前にしか頼めない。頼む、何も言わず、今すぐ死んでくれ」
「あぁ……いいとも。すぐに行こう。地獄で待っておれ……」

 己の身に突き立てた白刃。向かうべき場所は。

セシリア……」
「……」

 舞台に立つものには幕を引く力さえありはしないのだ。

 そして、ついにすれ違う二人。

「それ、とても綺麗な帽子ね。よかったら譲ってくださらない?」
「え? これ? うーん、そうだなぁ……じゃあ、取ってごらんよ、そうしたら」
「綺麗だわー。あら!? ねぇ、これ見てよ! ほら、とっても素敵な肌触りなのに見た目の質感はとても落ち着いていて、ほんとうに素敵な生地だわ!」
「……嘘だろ?」
「ありがとう、じゃね!」
「あ、ちょ、ちょっと待って! 誰もやるなんて!」
「大切にするわー」

「んー。……あんな性格だったっけ?」

セリス~不死の女神~、第2部。
6月3日、開始。

 

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WEB拍手
作者がお話を書く活力になります。何卒m(__)m
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